2015年02月06日

モノのインターネットと組み込みシステム、パート2

パート 1からの続き。

何故今か?
ずっとICT 領域をフォローしていると、新しい市場が立ち上がった時、1社ではなく複数の会社がその市場に殆ど同時に参入することに気が付く。これは、実は簡単に説明がつく。

1. その市場を立ち上げた技術はその技術だけで成り立っておらず。その技術を支える他の技術や手法が一定以下の値段になったり、小型化され、容易に入手できるようになったりすることで以前は採算が合わなかったり技術的に不可能であったことが可能になった。
2. それぞれの分野には複数の専門家が日々に市場や技術の動向を監視しており、#1で状況が変わった場合、あまり時期を離さない段階で新しい技術や製品を展開する。

では、その複数の会社のうちたった数社のみが生き残り、その市場を独占していくのは何故なんだろうかこれに関しては、ここでは述べないが、Geoffrey Moore 氏は複数の本を書いてこの疑問に答えている。

Rezendes 氏は以下がIoT の実現を容易にし始めたと述べた。
* 企業やその他の団体は決定を下さす際データを利用し始めた。
* ネット接続は完全ではないが、かなりの遍在性が達成されている。
* 技術やコンポーネントが進歩してリスクを負うことが少なくなりもっと容易に手に入りやすくなった。
* 現実の世<界での技術や製品の展開とロジカルなコンポーネントとの結合が改善されてきた。

適用分野
では、IoTが適用される分野はなんだろうか。

Rezendes氏は次の分野をあげた。
* 農業
* 商業
* エネルギー
* 産業
* 地方自治体
* その他

この点については、Industrial Internet Consortium (IIC)というコンソーシアムがIndustrial Internet of Things(IIoT)に関して活動している。これも適当な訳がないので、IIoTとしておく。ウエブサイトによれば IICは

「2014年3月に設立され企業や団体に必要な技術をもたらし、ベスト・プラクティスを見極め、収集し、プロモートすることでIndustrial Internetの発展を助長するものである。」

iic.gif

AT&T、Cisco、GE、 Intelと IBMの各社が中心になって設立したが、以下のバーティカルな分野に特化している。
* エネルギー
* ヘルスケアー
* 製造
* 公共部門
* 交通

チャレンジ
Rezendes氏はチャレンジとそれがどのように組み込みコミュニティ関係するか述べた。

組み込みコミュニティが既にコントロールを持っている分野
* セキュリティ
* 複雑さ

組み込みコミュニティが一部 コントロールを持っている分野
* コスト
* 標準

ビジネスに関してはどうだろうか。残念ながら、コミュニティは限定された影響力しかない
* ビジネス・モデル
* プライバシー

他にもチャレンジを挙げる人々がいる。Dr. Richard Soley, Executive Director, Industrial Internet Consortiumはこの記事(here)の中でチャレンジを述べている。それは、セキュリティ、データ・プライバシー、技術、相互運用性と産業の断片化だ。

EE TimesのRich Quinnell氏は 最近の記事で同様にチャレンジを述べている。それは、1) セキュリティ、 2) 標準、 3) サイロ化の打破、 4) aデータ中心の設計の取り入れ、 5) ハイブリッド型のビジネスモデル、, 6) デバイスの管理、 7) 電力効率、 8) cクラウドと組み込みシステム間の共通開発環境、 9) 人材と専門家の確保、 and 10) dデータの多様性。

このチャレンジの1つ1つはそれぞれ独自のブログが必要となる問題であるので、今後将来のブログで議論する。

Fog/Edge コンピューティング
Rezendes 氏はフォッグ・コンピューティング(fog computing)に関しても述べた。Ciscoによって命名されて edge computingと呼ばれることもある。(ググるとfog computingは254,000ヒット、edge computing は82,400ヒットとなる)。これは対いする興味は増大しており、昨年11月に最初の Fog Computing Conferenceが開催された。

遠隔地にある莫大な数の分散オブジェクトのため、クラウド・コンピューティングに加えて新たなコンピューティングのパラダイムを採用する必要がある。それは、通信遅延、帯域、反応時間とコストを配慮するパラダイムだ。例えば、車両衝突防止装置の場合、データをクラウドに送って、そこで処理され、インストラクションを待つよりもリアル・タイムでローカルで処理する必要がある。

クラウドとフォッグ・コンピューティングは補完関係にあり、フォッグ・コンピューティングはクラウド・コンピューティングに置き換わるものではない。フォッグ・コンピューティングはそれ自体複数のブログが必要なので、ここでは以上触れない。

まとめ
Rezendes氏の1時間の講演はオーバービューのレベルに留まったが、IITへの関心が高まった。また、IICはOMGの一部になっており、以前Object Request Broker (ORB)の開発の際コンタクトがあったDr. Richard Soleyと再び繋がった。

この講演で印象に残ったこと2つだけに限ると:
* IoTはSNSに限ったものでなく、もの(“thing”)は現実の世界での全てのオブジェクトに関する。人も例外ではない。ここに、Industrial Internet of Things (IIT)が存在する。.
* 既に、プラットフォームが確率されているSNSとは違い、現実の世界のオブジェクトにはモニタリング、収集、デジタル化やデータの送信のメカニズムの開発と展開が必要だ。組み込みシステムのコミュニティはこの分野に大きな影響を与えることができる。

今後このサブジェクトに関しては、もっとブログを書くつもりだ。
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2015年02月05日

モノのインターネットと組み込みシステム、パート1

言葉の定義にはうるさくない方だが、Internet of Thingsをモノのインターネットと訳するのは頂けない。しかし、適当な訳を思いつかないし、これが主流になるのだろう。しかし、この訳は気に入らないので、このブログではIoTとしておく。もっとも元々の英語の名前も気にくわないが。

言葉の定義にうるさくないついでに言えば、IoTは今までtelematicsM2MSCADAWoT、 Connected Worldや Industrial Internetと呼ばれていたものの新しい呼び名である。また、時として IoTはInternet of Everything (IoE)とも呼ばれる。さすがに、これの日本語訳はなくIoEが使用されているようだ。 現在までは、IoTはSNSに関して述べられことが大部分だった。

最近シリコンバレーで参加したRTECCは組み込みシステムに特化したものだが、 IoTの話題で持ち切りだった。基調講演の1つはof INEX Advisors社のChris Rezendes氏によるものだった。内容はIoTによるビジネスチャンスだった。このブログではこの講演のまとめと筆者のコメントを記す。

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INEX Advisors 社のChris Rezendes氏

ロジカルな世界と現実の世界

Rezendes氏の話には幾つか興味深い点がある。まず第一に組み込みシステムのコミュニティはIoTに対して大きな影響力を持っているということだ。現在のIoTはFacebookやTwitterなどのSNSとそれによって生成されるデータの解析と共に議論されてきた。これは容易に理解でき。それは、SNSのデータがその形式によらず(構造化データおよび非構造化データ)すでにコンピュータで処理できる状態にある。そのため、データはICT技術によって収取し解析が可能である。SNSとそれによって生成されるデータはロジカルな世界に存在しており、我々が存在する現実の世界にはない。そのため、SNSをベースにしたIoTはどのようにしてモニターするか、どのようにしてデータを収集するかよりも入手したデータに重きを置く傾向がある。言い換えれば、モニターすることとデータを収集することは、SNSシステム密に組み込まれている。

これに比較すると、現実の世界はロジカルな世界とは非常に異なる。ロジカルな世界と違って現実の世界でデータを収集するには、ものまたはオブジェクトにセンサーを埋め込み、データをデジタル化し、外の世界に接続しなければならない。それは、容易なことではない。まず、センサーなどのモニターに必要なものを開発する必要があるし、それぞれの特化したバーティカル市場での固有的な専門知識を要する。まず、何を計測するか(専門知識)、例えば温度、圧力、電圧、電流などを知る必要がある。更に必要なセンサーを開発してモニターしたいものに組み入れる必要がある。また、収集したデータをデジタル化する必要もあり、さらにそのデータを外の世界に通信する必要がある。

Rezendes 氏は現実の世界の99.99% のものまたはオブジェクトはネットワークで繋がっていないと言う。ロジカルな世界同様、現実の世界でも運用や管理にデータが大きな影響を及ぼすと言うことに人々は気づき始めた。つまり、センサーを展開すること、収集されたデータをデジタル化すること、そのデータを通信することに多くのビジネスチャンスがあることになる。そして、その市場規模は数兆円規模となるだろう。

ここで、組み込みシステムが適用される。IoTのシステムを実現するには組み込みシステムが必要となる。その開発者は現実の世界ではIoTに対いして大きな影響力を持つことになる。

インターネットによるコンピューティングの進化

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氏の語彙はユニークであるが、そのまま使用する。

Internet (Web) 1.0/2.0: 基本的な接続。 11.8億個のPCsによる $900億円市場、60億個の無線電話
       による $6000億円市場
Internet 3.0 (SMAC: ソーシャル、 モバイル、アナリティクスとクラウド): $3.7兆円規模市場
Internet 4.0: 1兆個のオブジェクト: $10兆から15兆円規模市場

IoT/Internet 4.0(氏の語彙)は莫大な市場チャンスを秘めている。全てのものがIoTの対象になるのだから。これを、Internet of Everything(IoE)と呼ぶこともある。それぞれのオブジェクトにIPアドレスを振り、そのオブジェクトに適した動作を計測、データを収集、そのデータを送信することが必要となる。例えば、ウェアラブルコンピュータは現在注目を浴びているが、身体や精神に問題のある人のために使用することができる。その場合、今注目を浴びているウェアラブルコンピュータとは少し違う文脈になるが。その場合、それぞれの人はIPアドレスを振り当てられたオブジェクトとしてみることができる。

個々のバーティカル市場や個々のオブジェクトはそれぞれ特異な要求や制限があり、単に組み込みシステムを作れば解決すると言った程簡単なことではない。

パート2に続く
posted by infogreen at 10:18| Comment(0) | ICTとエネルギー