2014年06月27日

電気自動車への新たな動き

前のブログで、電気自動車の普及を遮るバリアーに関して簡単に述べた。今回は、バッテリーベースと異なる、電気自動車の動きを述べる。

FCV

現在電気自動車と言えば、バッテリーベースと相場が決まっていた。しかし、燃料電池を使用するオプションもある。燃料電池は水素や天然ガスなどを原料として、電気を生成する。燃料電池を搭載する自動車はFCVと呼ばれる。

一般に原料に限らず、燃料電池を搭載したものをFCVと呼ぶ。このサイトで述べられているように、水素を原料にしたものを「直接水素形」と呼び、トヨタやホンダはこの方式である。日本政府も水素を提供できる水素ステーションの設置を促進する方向で動いている。オートックワンの記事によれば、

「現在、水素ステーションは全国に12箇所。今後の展開計画としては、2015年に高速道路などを含めて100箇所に増やし、2025年には1000箇所、2030年には5000箇所とされている。」

トヨタのFCV

最近トヨタが発表したFCV車に関してオートックワンの記事が詳細を報じている。非常に興味深い。

toyota.jpg

トヨタのFCVは、
* 走行距離: 500km以上
* 水素の充填所要時間: 約3分

これを現在の電気自動車と比較すると、その普及を抑えている問題を解決することがわかる。

更に、オートックワン記事には解決されなければならない問題が上げられている。

1. 水素の製造方法と価格の下落
2. 水素ステーションの普及
3. 自動車全体の価格の下落

2と3の問題は自明であろう。1も重要な問題であるが、オートックワンの記事では、最初の問題は以下のように触れられている。

「水素は石油、天然ガス、植物、水力、太陽光など、さまざまな方法で生み出せる。現時点ではリサイクルされていない廃棄物なども活用できる。」

確かに水素は様々な方法で生成することができる。それは、このサイトで述べられている。

では、水素を生成するためのコストやそれに費やされる原料はどうなんだろうか。
このサイトでは、それぞれの方法に関して生成のコストも述べられている。

今のところ、化石燃料を原料にする方法が安価で大量に生成されるため有望である。電気自動車の導入が化石燃料からの脱却であれば、この解は一過性のものでなければならない。

FCVの今後と自動車メーカー


Priusなどのハイブリッド車で成功したトヨタやホンダに比較すると日産はハイブリッド市場では出遅れた感が否めない。そのため、日産はその先を行くバッテリーベース電気自動車へ特化していった。次に、トヨタとホンダが目指すのが、その次の燃料電池ベースの電気自動車をあるのも当然の動きではなかろうか。

カリフォルニア州と電気自動車

カリフォルニア州は米国の典型的な市場とは言えないが、シリコンバレーで見ているととにかくPriusが多い。自然環境を改善しようと思う人が多いからだ。そして、最近良く見かけるのはNissanのLeafだ。また、高価格のTeslaのSモデルも時々見かける。GMの電気自動車であるVoltやFordのFocusはあまり見かけない。米国のビッグ3はバッテリーベースの電気自動車への参入は今からでは、市場を取れないと思っているのだろうか。

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カリフォルニア州も自然環境の保護に熱心で、電気自動車の普及には欠かせない急速充電器の普及も含め色々なグラントを提供している。更に、水素ステーションへの投資も忘れてはいない。

USA Todayの記事によれば、現在は9箇所に水素ステーションが存在し、建設中のものは17で、新たな47億円の投資で、28箇所を追加する予定だ。総数は54となる。米国ではトヨタ、ホンダ、ヒュンダイは来年からFCV車を販売する予定だ。GMもFCV車に力を入れており、ホンダと長期の協力関係を築いている。

今後の展開を予想することは難しい。新たな技術が市場に浸透するのは、10年―20年かかるだろう。筆者は新しもの好きだが、現在所有しているPriusをしばらく手放し、様式に限らず電気自動車に乗り換える気は現在はない。貴方はどうする?
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2014年06月26日

どうなる電気自動車?

日本では電気自動車は、あまり走行距離を求められないし、急速充電のCHAdeMOの充電器も順調に伸びており、今後も伸びるではないかと思う。

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翻って米国では、カリフォルニア州などを除き、その伸びは鈍い。理由はいろいろとあるだろう。一般的に走行距離が長い米国では、充電器の拡散がなければなかなか苦しい。筆者が住んでいるシリコンバレーからサンフランシスコに往復で場所にもよるが、日産の距離計算ウエブによると、片道48マイル程度である。つまり、往復は約96一度の充電で、日産のウエブによると84マイル走行できるようだ。ということは、行きは良いが帰りは途中で充電しないと帰ってこれない。

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一番電気自動車や充電器の普及が進んでいると言われるサンフランシスコ湾地域でも、充電器の普及は今いちである。充電器の大部分は220Vのレベル2であり(数時間)、480Vのレベル3(15-30分)はまれである。これでは、普及するのが困難なことがわかるだろう。

レベル3の急速充電器の普及はというと、標準化が大きくのしかかる。日本勢はCHAdeMOを世界標準にしよとしている。しかし、米国ではSAEという標準団体がCHAdeMOとは異なる急速充電方式の標準をしている。

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それでは、この標準で統一され、あちこちで急速充電器が設置されれば問題解決だ。しかし、そうはなっていない。SAEの標準は最近できたばかりで、この標準に準拠する電気自動車も充電器も筆者の知る限り米国内にはないことだ。

このため、現在の電気自動車の使用は、夜のうちに自宅で充電し、会社に行き、会社で充電して帰ってくるというシナリオが圧倒的だ。Googleは200程度の充電器を自社の駐車場に完備している。しかし、現在はテスト的に少数のレベル3の充電器はあるものの、殆どがレベル2である。

そのため、最近Tesla、BMWと日産が急速充電器の規格を統一する話合を始めた。標準化が進み、充電器の設置が普及すれば電気自動車への追い風になるだろう。その他、バッテリの技術の進展とそれに伴う価格の下落も重要だ。さて今後どのような展開になるのだろうか。次のブログでは、バッテリーベースの電気自動車とは異なった動きについて述べる。
posted by infogreen at 03:29| Comment(0) | ICTとエネルギー