2014年04月26日

コンピュータソフトウエア協会、シリコンバレーに行く。Pivotalの巻き

コンピュータソフトウエア協会(CSAJ)のシリコンバレー視察にくっついて行ったEMCの2つ目のプリゼンはPivotalだ。しかし、Pivotalにわざわざ行った訳ではなく、EMCのbriefing centerでEMC Fedrationの説明の後にPivotalのSusheel Kaushik氏が来てくれたのだ。氏はSenior Director, Product Managementである。

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Susheel Kaushik氏

PivotalのネタはBig DataとAnalytics。時間がなくてAnalyticsの話は聞けなかった。前のプリゼンの時間が延長されたので、氏は30分待つ羽目に、その隙にチョコマカと話をして後日インタビューする約束を取り付けた。その時はまたブログを書く積もり。

話はPivotalがオープンソースとしてリリースしたCloud Foundryを基に進んだ。Cloud FoundryはもともとVMwareによって開発されたが、現在はPivotalに移行している。

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簡単に言うとOpenstackがIaaSのオープンソース版であるのに対してCloud FoundryはPaaSのオープンソース版である。そうなると当然、競合はRed HatのOpenShiftとなる。この2つの戦いはかなりのものになっている様だ。しかし、実際の売り上げ等を比較するとどちらも、まだSalesforceなどとは大きく水をあけられているとか。

主なIaaSタイプのクラウドはVMware、Openstack、AWSやその他である。残念ながら、主なIaaSの間には標準が存在しないため、それぞれはそのクラウド毎のアクセスが必要となる。PaaSはこの主なクラウド間のアクセスの違いを吸収してどのクラウド上でも作動することが望まれる。Cloud Foundryは正にその条件を満たす。この情況が以下の図にまとめられている。ここで面白いのは、アプリケーションは異なったクラウド間を移動させることが出来る。vMotion(稼働中のゲストOSを、他の物理マシン(ESX)に手動で引継ぎできる。)の様な機能だ。詳細な説明の時間はなかったが、vMotionに似通った方式であれば、以下の様だろう。移動先のクラウド上に移動するアプリケーションのVMのインスタンスをつくり、既に他のクラウド上で実行中の実行コンテキストをコピーして、最初のVMを停止して除去、新規のVMを実行して停止したVMと取り替える。この機能を利用すれば、負荷や情況によって幾つかの異なったクラウドを自由に利用できるようになる。プライベート、パブリック、ハイブリッドとどのような組み合わせも可能となる。

Kaushik氏はこの機能をvMotion以上の機能だと説明していた。vMotionが成立するには、数個の条件が必要だが、そのうちの2つは:
1.始点と終点がどちらもESXを作動していること
2.どちらの、点も同じネットワークに属しているいること

Cloud Foundryの場合、始点と終点の仮想化環境は異なっても良い。どうやっているんだろうか。同じ環境なら同じアプリからは同じVMが生成され、実行環境やコンテキストは同期するのが容易だ。しかし、環境が異なれば、同じアプリであっても異なったVMが生成され、2つのVMの実行環境やコンテキストをつき合わすのは困難だろう。これも、次にKaushik氏に会ったときに聞こう。この手の情報はあまりウエブにないような。。。。

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更に、Cloud Foundryはオープンソースの無償版と有償版からなる。オープンソース版はここからダウンロードできる。情報はここ。多くのオープンソースがApache foundationに任される中、このプロジェクトは1握りの会社によるファウンデーションに任されている。有償版のPivotal CF (Cloud Foundry)の情報はここから。

簡単に言うと、以下の図の様にCloud Foundryはアプリケーション処理の部分とデータ処理の部分から成り立つ。

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アプリケーション処理側は以下の図ので紹介されている。

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データ側はPivotalが使用し始めたData Lakeと言う言葉で示されている。ではData Lakeとはなんぞや。ここのサイトによると:

次の2つの特性を満たす情報システムのこと。
1. Big Dataを格納できる並列システム
2. データを移動せずにその場でそのデータにコンピュテーションを行える

現在これを満たすのはHadoopくらいのものだ。以下の図を参照。図のHDFSはHadoopで使用される分散型ファイルシステムのこと。このファイルシステムの上で、analytics、トランスアクション処理やイベント処理を行うことが出来る。

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更に、次の図で示す様に、種々のデータアクセスが可能だ。

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本当に面白いのは、集められたデータを如何に使って有益な情報を引き出すかだ。筆者はアナリティクスにはまっている。Hadoopは主にバッチシステムには向くが、リアルタイムの解析には向かない。

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それには、Nathan Marzが主張するLambda Architectureが必要だ。このアーキテクチャーはStormというオープンソースで実現されており、Twitterの重要な部分を占めている。現在Marz氏は本を執筆中で、筆者も途中まで出来た本を読んでいる。Pivotalはバッチとリアルタイムをどの様に組み合わせているのか興味は尽きない。
posted by infogreen at 12:34| Comment(0) | ICTとエネルギー

コンピュータソフトウエア協会、シリコンバレーを行く。Boxの巻き

今回コンピュータソフトウエア協会(CSAJ)にくっついて2社を訪問。遠くに行くのが嫌なので、弊社のオフィースがあるサンタクララと自宅の近くのロスアルトスに限った。そうなると、EMCとBoxとなる。

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このブログはBoxに関して、というか、Boxに行って感じたことをとめどもなく書いてみる。

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Boxの職場風景

最近スタートアップに行くと大体こんな感じだ。いかん、まず入り口から。大抵の会社は受付の人が居ても自動のチェックイン機能がある。一度名前を入れておけば次に来たときに簡単になるというところもある。最近は単に訪問するだけでも、簡単なnon disclosure agreement (NDA - 秘密保持契約)を要求するところも珍しくない。NDAの内容を真剣に読めば、とても入れないと思ってしまうが、一般的には儀式みたいなものだ。Boxはこの自動チェックインはiPadを使用しており、ご丁寧に写真まで撮ってくれた。バッジを貰って他の10名程度と中へ。一応通常エスコートが必要ではあるが、まあそれほど監視はされていない。もちろん監視しまくられる場所もある。例えば、データセンター運営会社などだが。。。

昔、日本の某NECの米国の子会社で働いたことがある。日本に行くと技術者がアメリカは仕切りがあって良い。日本は狭い空間に机を並べプライバシーもへったくれもないとこぼしており、低い仕切りをつけることが大きな問題だった。Boxに限らずその他のスタートアップでも、雑然と並べられた机で皆が仕事をしていることが多い。仕切りはない。座ってもよし、立って仕事をしてもよし、寝転んでもよし。つまり、個人が好きなようなやらしておく。また、備品、飯、本やそのアミニティは無料で提供する。余計に持って帰る奴や無駄にする奴はいるだろうけれど、人目もあるし、大体何時でも好きなだけ持ってけと言われると人間そんなに悪いことはできないものである。それに最近はこれが当たり前になっているんで、これを提供できないと人は来ない。

日本の某会社の場合(大分の会社がそうであるように)、技術者はスーツを着て、ネクタイしめて、ちゃんと席に居らねばならず、しょうむない会議にもでなければならず、アミニティは誰かの土産のお菓子だけというのでは、やる気も出まい。ところで、ここで一言言っておきたいのは、筆者はアメリカ礼賛ではない。「だから日本は駄目だ。」なんていう積もりは毛頭ない。違いは違いで、そういうもんだと言いたいわけだ。

CSAJのメンバーから出た質問で面白かったのは、情報やセキュリティ管理の問題だ。エスコートの人はいるものの、あまり監視されている気配もなく、ある部分を除いて写真撮影もOK。一体、情報管理やセキュリティはどうなってるんじゃということだ。

その前に前提として言っておきたいのは。まず、理解しにくいことの1つは、ここの大部分の人は会社は人生のある時点で生活に必要な金を稼ぎまた自分のキャリアを磨く場所だと割り切っていることだ。別にある特定の会社に固執していない。まあ、そういう人も一部にはいるだろうが。人間関係は会社を中心ではなく、それ以外の結びつきが大きい。

幾つも例はあるが、例えばSunでDirectorだった人がOracleによる買収時にeBayに移籍した。彼の部下だった人はあちこちの会社に散った。その後、1−2年経って会ったら、その大分がeBayにやってきてまた彼の部下になっていた。その他この人が中心となってデータセンター業界の業界団体があったが、彼がeBayに参加してから1−2年後、それに参加していた数人の人がeBayにやって来て彼の部下になっている。技術者は会社に群がるのではなく、特定の技術や特定のグループの人に群がる。もちろん、群がっても寄せてもらえないと話にならない。寄せて貰えるようになると、新たなスタートアップの話とか仕事とが付いてくる。これには、個人の実力、コネなどが必要となる。簡単は潜り込めない。

日本人は不利だ。貴方が中国人やインド人だったら、すでにそれぞれのコミュニティーがあり、母国の会社や大学や縁者や共通の友人などのコネがすでにあり利用できる。日本はそういうものの層が薄い。それぞれのコミュニティで、VC、マーケッティング、営業、CEOタイプ、CFOタイプ、あらゆる分野の技術者が揃う。日本人の場合は上で述べたようにそういうグループに寄せて貰えるようにコネと実力をつけないと苦しい。筆者は?アナリストや評論家は他人のことは言うが、自分のことは言わないことになってます。ここまでで前提は終わり。

では、情報漏洩はどうだろうか。人は会社から会社へと動きまくる。統計は知らないが、感覚としては2−3年も同じ会社にいるのは長い方だろう。人が動けば、その人と共に情報や秘密が動く。じゃあどうやって秘密保持するの?答えは余程大きな秘密で何億、何十億円にもなるような話なら、たまに訴訟が起こり新聞を賑やかす。でも、それは稀で、大部分は情報は漏洩している。しかし、漏洩というのは言いすぎで、情報の拡散と言ったほうが正しいだろう。自社から情報が漏れるということは、入社してくる人からも他社の情報が入るということだから。

簡単に言うなら、経営者は結果は社員にきっちり要求するが、業界標準程度のアミニティをがんがん無料で与えて、仕事のやり方に口出しせず、業績を上げて、profit sharingや株式の価値(社員に株式を与えて)をあげて、社員に競合に情報を与えて自社が不利になると将来上場できなくなるかもしれないし、自分のprofit sharingが減るのは損だと思わせることが肝要ということになる。

筆者も米国子会社の某NEC内で数十年前似たようなことをしようとしたが、東京の反対で出来なかった。

なんか、Boxの話からずれた。Boxは3月末株式上場に必要な書類を提供した。今年中に上場するかどうかは分からないが、日本にも進出のようだ。日本支社で社長も雇っている。詳細は、このコンファレンスに出席するのが良いだろう。来る5月20日に紹介のコンファレンスを東京で開催する。参加費は無料。

posted by infogreen at 05:12| Comment(0) | ICTとエネルギー

コンピュータソフトウエア協会、シリコンバレーを行く、EMC

コンピュータソフトウエア協会(CSAJ)はウエブサイトによると:

     
CSAJは、コンピュータソフトウェア製品に係わる企業が集まり、ソフトウェア産業の発展に係わる事業を通じて、我が国産業の健全な発展と国民生活の向上に寄与することを目的としている一般社団法人です


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だが、今回シリコンバレーに竹原司氏を団長とする視察団を派遣した。

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CSAJの視察団、EMCのBriefing Roomで

筆者はこの機会を捉えて、2社の訪問に同行した。1つはEMCであり、もう1つはBox社である。ちなみに、Boxは来る5月20日に紹介のコンファレンスを東京で開催する。参加費は無料。それぞれの訪問にに関して簡単に述べてみる。

このブログではEMCを次のブログでBoxについて語る。しかし、内容は例によって筆者の趣味で全てを網羅するわけではない。悪しからず。

EMC

EMCはNetappと共にストレッジの市場を牛耳っている。一見ハードの会社と見なされ勝ちだが、最近はそうではない。ストレッジのハードの会社から、それ以上の会社となっている。つまり、ソフトとデータとアナリティクッスの会社になっているのだ。

この競争の激しい業界、自前で全てが賄える訳ではない。現在の情況から将来を予想してそれを自前で開発するのか、またはM&Aでその解を入手するのか、実に胃の痛くなるような仕事だが、逆に言うとこれほど面白いことはないだろう。EMCは多くの買収を繰り返してきた。その中で大物といえば、RSA(2006年)、VMware(2004年)とPivotal(2012年)だろう。現在はEMC、VMwareとPivotalを主体にEMC Federation(連邦)を形成している。それぞれの会社は株式上場をしているが、過半数の株式はEMCが所持している。それを率いるのは会長のJoe Tucci氏だ。ちなみにRSAは買収後はEMCの一部になっている。

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  Paul Maritz氏は以前のVMwareのCEOで現在のPivotalのCEO
  David Goulden氏はEMCの社長
  Patrick P. Gelsinger氏はVMwareのCEO

この歴戦の3人のつわものを束ねて、新たな方向を模索して実行して行くTucci氏ってどんな人か?そのうちに書いてみよう。

それはさておき、現在このEMC連邦が取り組んでいる5つの分野について述べよう。
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5つの分野は:
  1. データ・アナリティックス
  2. ソフトウエア定義のデータセンター
  3. Data lake
  4. アジャイル開発
  5. モバイル・デバイス

これは、EMCのExecutive Briefing CenterのDirectorであるJoyce Tompsett氏のプリゼンにまとめられている。

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キーはソフトウエアだ。これを提供する会社で示すと、

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この後は、PivotalとMarketing Science Lab.からの説明があった。Pivotalの話はここに
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