2012年10月29日

クリーンテック:日本の競争力

あまり、一般には知られていないが、日本にはデータセンターの運営会社やデータセンターに製品を提供する会社が集まって、日本データセンター協会(JDCC)という組織をつくっている。そうそうたる、大企業から中堅企業そしてスタートアップの会社をメンバーに揃えて、その数170社程度である。ICTとエネルギーとの接点という観点では、データセンターは非常に良い例だ。筆者は以前米国のデータセンター事情を米国のエネルギー危機の点から10本以上の連載を書いた。その当時はまだ、あまり日本では電力に関する危機感もなく、まだあまり効率化に皆が熱心でなかった。

それは、2009年から2010年、それから3年経ち、大震災から電力不足に陥った日本、データセンターの事業者はどのようにしてこの事態に備えて日々の運営を行っているのだろうか。この10月にJDCCのお供をして、シリコンバレーのデータセンター事業者やそれにICTとファシリティの解を提供する会社を回った。一番のハイライトは、Silicon Valley Leadership Group (SVLG)主催のデータセンターのエネルギー効率コンファレンスでの発表だった。日本から向かえたJDCCの山中氏を中心に筆者をモデレーターに現地駐在の佐藤氏と沖田氏を交えたパネルディスカッションは好評で、立ち見が多くで、また質問も多岐に渡り予定時間を超え最終的には司会者権限で無理やりにセッションを打ち切るほどであった。

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講演する山中氏

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パネリストの3氏、左から山中氏(IDC フロンティア)、佐藤氏(三菱電機情報ネットワーク)、と沖田氏(日立)

会場の反応は上々で、会場はこの写真の後も人が詰めかけ一杯となった。

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山中氏の講演内容は地震時のデーターセンターの様子や、外国で囁かれている間違った噂や流言飛語を払拭する狙いと、現在の日本のデータセンターのエネルギー効率化の動きなどを紹介することだった。大震災は大変で、震災後は東京でも余震が収まらず皆不安な日々をおくったと聞いているが、現在はかなり収まっている。しかし、間違った情報も根強く残っており、大震災でデータセンターは壊滅し、多くのデータセンターは津波で流し去られたとか。ひどいものになると、いまでも、東京でも放射能が残っていて危ないとか。

政府レベルでこういった間違った情報を取り除くことも必要であるが、民間のJDCCがデータセンターに限った話であっても、こういった間違いを正すだけでなく、日本の宣伝を外に向かって発信するのは良いことである。発信と言えば、筆者の懇意のデータセンターのコンサルタントと話をしたときに、JDCC側がどうすればもっとアジアに進出するときに日本のデータセンターを拠点として選択してもらえるかと聞いたところ、彼は日本のデータセンターの情報が殆どないため、選択肢に入ることが少ないと回答した。日本はマーケティングが下手だと良く言われる。謙譲の美だろうが、どんなに良いデータセンターを持っていても、その存在を知らしめることが出来なければ、誰も選択してくれない。こういったコンファレンスへの参加や訪問を含め、地道にマーケッティングしていく必要がある。

また、山中氏は、自社の九州のデータセンター、サクラネットの新しいデータセンターや野村総研の新しいデータセンターを例にあげ、日本のデータセンターは以前にも増してエネルギー削減・効率化を図っているかを強調した。会場からの反応は、「ええ。。。意外だと。」いうものだった。

結局何をここで強調したいと言うと、日本は米国に比して遅れていると思い込み勝ちだ。以前1980年代、日本ががんがんだった頃は、「もう米国から学ぶことはないもない。」という風潮だったが、最近は「やはり、米国には敵わない。」という敗北主義に陥り勝ちだ。今皆さんが持っているICTやクリーンテックの技術や製品、米国市場ででも通用するかも知れない。しかし、それを広く知らしめなければ、誰も買わないということだ。変な過剰の自信を持つことは危険だし、確かめもせずに敗北主義に陥ってはいけない。

ここで、パネリストとして活躍された3氏は30代、40代だ。今後も米国市場に出てきて、日本の技術や製品を売り込んで欲しい。
posted by infogreen at 10:20| Comment(0) | ICTとエネルギー

2012年10月28日

ICTとエネルギーの接点を語るブログの開設にあたって

筆者はICT屋だ。40年近く前は電気屋だった。電気も幅が広い。強電、弱電、エレクトロニクスその他。電気屋としては、数学がいる。微分方程式、フーリエ関数、z変換など、など。そして筆者は卒業してから逃げた。出来るだけ、電気工学から。そして、ソフトを発見してそこに身を置いた。そして、30数年が経った。3.11の前に東電や関電に取材をしたところ、米国のスマートグリッドに対して学ぶことはないというスタンスだった。安定した潤沢な電力がある日本でどうしてインフラがガタガタな(これは正しいけれど)米国の真似をする必要があるのかというスタンスだった。3.11以降は変わったのだろうか。同じ人にインタビューしたい気もする。

電力の話は範囲が広い。再生可能エネルギーの他にも色々ある。筆者はICT屋である。ICTはクラウド、モバイル以外はあまり元気がない。でも、ICTには力がある。スマートグリッドやスマートシティにはICTが欠かせない。このブログでは、クリーンテックの動きの他、ICTの技術がどうこのクリーンテックに応用できるのか見てみたい。インフォグリーン社のブログで配信する。
posted by infogreen at 01:27| Comment(0) | ICTとエネルギー